ランニングに必要な要素
僕は身体、特に筋肉を扱う仕事をしている。
今までにも多くのスポーツを通して筋肉と動きの関係を、自分の身体を実験台にして12年以上研究して観察、体感してきている。
そこで今回は、自分の実体験をもとにマラソンに必要な要素を簡単に述べてみます。僕は普段はトレイルランニングを中心にやっています。まずは大まかな目次から。
1.最大筋力
2.最長筋力
3.循環器能力
1最大筋力について。
マラソンやトレランでは、走ります。当たり前ですが、これは言い換えると自分の体重を何千回、何万回と足で支えては前に押し出すという作業を繰り返します。だから単純にその負荷量をたくさん支えていけるだけの筋力が必要になります。
ランニングでは持久力が必要であるというイメージですが、その前に最低限の筋力がなければ継続して運動はできません。
では筋肉隆々のマッチョマンが一番早いことになるのか、というとそういう訳にもいかないところが面白いところです。その理由は以下に書きます。
2最長筋力について
ちょっと表現が誤解されそうですが、これは筋肉自体の長さ、ではなくて、筋肉がどれくらい長く動き続けられるかの時間的な長さで、いわゆる持久力です。
例えば10kmなら約1時間、20kmなら2時間半くらいとしても、その時間の間ずっと身体を支えては前に押し出すという作業が身体に要求されます。
ここで必要な能力は、精神的なものではなくて、細胞の代謝能力です。
筋肉も全て細胞でできています。細胞の特徴としてその環境に順応することが挙げられます。これは負荷をかければその負荷量に向かって強くなるし、安静を続けていればその無負荷量に向かって弱くなるということです。弱くなるのは一般的に体がなまる、というやつです。
だから自分に必要な距離を走る時間に合わせてトレーニングすることで、少しずつ細胞がその時間の間ずっと動き続けられるよう順応していきます。
先に書いたマッチョマンは超短時間での最大筋力に特化した細胞に順応させています。だから長い時間を繰り返す運動には不向きになるのです。
3循環器能力
これは心臓と肺の酸素交換能力。それを全身に送る血液成分。2の話にも近いですが細胞内外の酸素取り入れと老廃物除去の一連の流れです。
初心者の方は少し走るだけで息が切れ、心拍数が上がります。これは前に書いた、筋力不足と持久力、そして酸素運搬能力が運動量に追いついていないから起こります。
そして少し細かく言えば、心臓がどれくらい血液を送り出せるか、肺は全部が活動して効率よくガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)ができるか、血液成分は酸素を効率よく保持して細胞まで持っていけるか、などの能力です。
それぞれ簡単に書いていきましたが、トレーニング方法なども別の記事で書いてみたいと思います。
ではコロナに負けず、自粛が続きますがこんな時だからこそ自分を高めていきましょう!