不安の矛先 猫の観察から


1ヶ月前から我が家には2匹の猫ちゃんがきてくれた。ネコちゃんたちは様々な本能を目の前で見せてくれる。実に興味深い。

昨晩、夜中に寝室の網戸そばで座っていたウチの猫ちゃん。突然今までしたことのない唸り声を急に出し始めた。見ると網戸の向こう側に近所の野良猫が来ていた。

向こうは興味本位で来ていたのだろうが、なにせウチのネコちゃんは初体験。

すぐに私が野良猫を追っ払ったが、ネコちゃんの不安と興奮はしばらくそのまま続いていた。さっきまであんなに仲の良かった兄妹ネコに対しても威嚇の姿勢で数分間唸り続けたのだ。


一度感じた恐怖や不安によって、どんなに仲の良いネコに対しても攻撃対象になっていたのだ。つまり、怒りや不安は野良猫に対してなのに、仲間へも向けられる。怒りや不安が野良猫か仲間ネコかの区別ができず、一緒くたになってしまっているのだ。

これは人間でも同じ状態になりやすいと思った。とりわけ漠然とした不安に包まれるとか、急にイライラするとか、その分化が未熟で不完全なのだ。自分が本当は何に怯えていて、何に怒っているのか。これは案外見出しにくいものだと思う。

会社でも他人に対してツラい態度を取るものは、実にこうした感情の分化ができていない人であると言える。極めて動物的で本能への依存度が高い。ヒトとしての知能、感受性が低いのだ。言ってみれば、単なる八つ当たりなのだ。

動物の観察は面白い。動物的本能と人間がまだ持っている本能は同じものなのだと勉強になった。