何かをしてもらえない、という不満


人とは勝手な生き物ですね…例えば誰かに一緒にいて欲しいと思っていても、相手が仕事で行かないといけない時とか、その相手に「私を大事にしてくれない…」と不満を覚える。相手にもいろんな事情があるのに、自分を優先したくなってしまう。

この不満は一体どこから来るのでしょう?


なぜ一緒にいて欲しいのかな。それは、寂しいから…。

寂しさとは何だろうか。何かこう、自分の中に空いている穴を塞いで欲しくなるような…。

自分で塞いだらいいんじゃない?それができないから誰かに頼みたくなるんですよ。

なぜできないの?その、埋め方が分からないんだ。

その相手は穴の埋め方を知ってるの?それは…分かりません。でも、なんか知ってるかも知れないでしょ。

じゃ、穴埋め作業は確率論なワケだ。つまりどんな人が穴を埋められるかは分からないけど、人が多くいればいるほど誰かが穴を埋めてくれるかもしれない確率が上がる。友達も知り合いも多ければ多いほどいいという事だね?でも君は出来るだけ集団から離れたいと思っているけど。これ矛盾してない?

そうですね、確かにどんな人が穴を埋めてくれるのかなんて考えた事もなかったけど…でも明るくて優しい人ならきっと何かを埋めてくれる!と期待はしてしまいます。

つまり、明るくて優しそうな人がいたら、君は勝手に自分の期待を相手に貼り付けて、穴を埋めてくれ埋めてくれと催促するワケだ。で、それが叶わなかったら、なんで埋めてくれないんだ!と逆ギレする。元は君が勝手に期待したからで、しかも君の穴を自分で処理しないで人のせいにしてる事なんじゃないのかい?

はい…全くその通りです!僕は勝手なヤツでしたね…。じゃ、この穴はどうやって自分で埋めるんでしょうか?

穴の存在に気づいただけでもだいぶ解決にはなっているから大丈夫。それから、この先は誰か一緒にいて欲しいなと思ったとき、つまり寂しさという感情を感じた時に、すぐに気づけること。そして、誰かに勝手な理想や期待をする事をすぐにやめるんだ。

それと、寂しさや悲しさ、惨めで無力な自分を好きになる事だね。心の穴は君が自分を嫌いになっている部分だから。穴の一つひとつを「好き」で埋めてあげるんだ。他人から見たらその穴の形とか深さとか分からないけど、自分で感じれば完璧でなくてもそれに近いものは準備できるでしょう?

でもね、ホントの事をいうと、君の穴を埋める人、または埋め続けてくれている存在は常に君のそばにいるんだよ。ほら、君のすぐそばに。でもいくらその存在が君の穴埋めをしても君は気づかない。その存在が出すものを感じるためには君の受信機もそれに対応していないと感じられないんだ。感じる時が共感している時だ。

常に出している存在がそばにいても埋まらないのなら、誰か人がそばにいても同じじゃないのかい?意味が無いことはないけど、これは君自身の問題なんだ。

君の心の深く深く奥にまだ知り得ぬ君自身がいるよ。


それからね、さっき仲間がたくさんいる所なら…という話が出てたけど、その仲間が何に共感して共鳴しているのか。つまり感情のどのレベルで繋がりあっているのかはとても重要だ。悲しみで繋がっているのか、楽しさで繋がっているのか、一見楽しそうに見えても心では怒りをぶつけ合っている事もある。君の心が心地よいと思えるかどうかだ。

だから、心の穴を埋めてもらいたい人がたくさん集まっても、誰もその方法を知らないから変に期待をかけられて恨まれるのがオチだ。しかも穴を埋めてもらっているように見えても、先ほどのように悲しいかなその人は気づくことができないんだ。それでも100のうち1くらいは心を埋めることができるかも知れないが、これでは効率が悪すぎる。

結局ね、彼らは自分の心の穴を注視する事が怖いんだよ。だから怖くない方法で誰かに助けてもらいたい。で、それがピンとこなかってら、役立たずと責め立てて罵ることごできるのだ。自分は傷つかずに相手のせいにできるというワケなんだ。