未来世療法 テーマ:お金
早速未来世療法なるものをやってみた。
初回のテーマは「お金」。
なんだかんだで結局僕はお金のことばかり考えてるみたいだから、これについて深めてみたい。
お金お金…頭の中で未来についてイメージしていく。
イメージが湧いてきた。森から抜けた所で、なんだか2つの分かれ道みたいな場所が出てきた。看板に何か書いてある。
・右→お金が欲しい
・左→お金が無くても安心できる
う〜ん、なんだこの選択肢は?イメージで出てきたという事はこれが今の僕のお金に対する意識なのか?ちょっと分かりにくいから、例のもう一人の僕に相談しながら進めてみよう。
あのーこれ何の分かれ道?
これは君の中のお金に対する意識がそのまま出てるんだ。
つまり僕の意識ではこの2つ…だけ?
そういうことになるね。何か問題でも?
いや…選択肢が少ないし、なんか両方ともお金は無さそう…
そう?君の想像力が100%出てると思うんだけど。いいんじゃないの?
いや、俺の想像力というよりも、なんていうか…宇宙の中で選択肢はこれしかないの?
星の数ほどあるよ。
え?俺の前には2つしかないよ?
うん、そうだね。…それで?
いやいや星の数だけあるなら、もっと道を増やして欲しいんだけど…
こちらからはそんな事しないよ。余計な事をして恨まれるのも嫌だからね。欲しいのならご自分でどうぞ。
え?自分で?いいの?
どうぞ。誰も止めませんよ。
えっと…じゃあどうしようかな…
ふふ、ちょっと待ってね。この分かれ道を進む前にすでにレッスンは始まってるね。君の言う通り、君のお金に対する意識、観念、感想はこの2つに集約されていると言えるみたいだね。なぜこの2つだけになったんだろうね?
理由なんて…ないけど。
実は理由はあって、それはね、君が今まで育ってきた中で、様々な情報の中から君がチョイスしてきたものなんだ。親とか、友達とか、テレビとか映画とか。その中に「お金とは常にないもので、いつも苦労する」というような意見を最も尊重してきた、というだけなんだ。
確かに、お金にいつも苦労するようなイメージ…あります…。
じゃ、未来の選択肢の道をどんなものに増やしたいか考えてみてよ。
そうだなぁ、じゃ、ちょっとおこがましいんだけど「お金がたくさんたくさんある」、ていう道を増やしてみるよ。
了解。じゃテーマをそれにして未来のイメージをしてみてごらん。
はい。…銀行のATMの前にいる人がいます。未来世…というよりは自分の未来みたいですね。その人、通帳を見てまして少しまとまったお金があるみたいだけど、やりくりはギリギリみたい…。あまりハッピーには見えないなぁ。
なるほど。その人はどう感じているかな、何を考えていそうだい?
そうですね…「はぁ…なかなか余裕ができないなぁ…。」
「お金に余裕ができない」と思ってるんだね。じゃあ、ギリギリのやりくりをする、という願いが叶ってる訳だ。良かったね。
いやいやちょっと待ってよ!余裕の無いことに喜ぶ人なんかいる訳ないでしょうが。
そうなの?じゃどうしたいの?
お金に困らず、余裕ある暮らしをしたいのが本心でしょ。そんなこと言わなくても分かるでしょうに!
そうなんだね。でもイメージはそうなってないんだね。つまりそこにも君の思い通りになっていない原因が隠れている、という事だ。もう少し深めて、感情を感じてみて。
そうだなぁ…。「ちくしょう、なんでこんなにうまくいかないんだ!こんな苦しい状態がずっと続くのか!人生なんてほんとに面白くねー!」ってとこですね。感情で言えば、怒っています。そして…「こんなハズじゃないのに…」と悲しんでもいます。
いいね、君の中のネガティブな感情が顔を出してきたね。お金を欲しがってたのに、本当は怒って、悲しんでいたという事だ。じゃあ君の想像力をでその人に余裕を持たせてあげてよ。
分かった。じゃその通帳にたくさんのお金を印字してみるね。…印字してみたけど、その人の気持ちはなんでかスッキリしてない印象だなぁ。この気持ちなんだろう。
じゃお金を増やした後の彼の言葉をもう一度聞いてみてよ。
はい。…聞き取りにくいけど…うっすら聞こえる、というか感じる。「なんだかこんなにお金がある状態は、僕じゃないみたいだ…。」
あれ?欲しい物が手に入ったのになんだこれ?
「こんなにお金を持ってたら、ダメな気がする…。」
出てきたね、君の本当の気持ち、意識、観念、意見。この想いがあったからイメージもそれに見合った状態だったんだ。それなりに願いが叶っていただろう?
そうと言えばそうですね…これ、変えたいんですけど…。
じゃその人が納得できるよう、その感想を変えてあげてよ!君の想像力を使ってね!
分かった、やってみるよ。
「君はね、そのお金を持っていてもいいんだよ」
「でも…僕にはそんな価値があるとは思えないんだ。これに見合わないと思う。なんでか分からないんだけど…。」
「君ね、そんな事だれが言ったんだい?」
「そうだな…言われたことはないけど、でも逆に"君にはこれぐらいの価値があるね!"とも言われた事もないし…。それってつまり、そう言われなかったのは、僕にその価値がないからじゃないか。」
「そんな事はないよ!君にはそれだけの価値、どころかそれ以上の価値があるに決まってるじゃないか!君こそがこのたくさんのお金を持つべきなんだ!だから君はたくさんのお金を持っても全然大丈夫なんだよ!ぜひなんの迷いもなく、このお金を持ってもらいたいんだ!」
「え、お金を持ってもいいのかい?」
「当たり前じゃないか!君にはその価値は充分過ぎるくらいあるんだから!」
「でも、僕はそれに見合うような能力や資質も何も持ち合わせてないから…やっぱり持てないよ。それに見合うものが僕にないから、例えお金を持ったとしても、"あいつはなんの取り柄もないのに大金持ちやがって"って足を引っ張られるのがオチだ。」
「なるほど、今の君は自分に対する無価値感と他人からの嫉妬を恐れているんだね。でも安心して欲しい。お金にはそんなルールは一切ないんだよ。持ちたい人が持てばいいんだ。なんの条件もいらないし、なんの資格もいらないんだ。」
「え?そうなの⁉︎知らなかった!じゃあ僕でも大金を持っていいんだね?」
「もちろんだとも!ぜひ受け取って欲しい!」
「ありがとう!ありがたく頂戴するね!今まで周りの人に苦労かけたから、何かご馳走でもしてあげようかな!」
「いいね!それから足を引っ張る人がいると思ってたことはね、今まで別の人がお金持ちに対して嫉妬から陰口を言ってたから、もし自分が金持ちになったら同じように陰口を言われる、と思い込んでいただけなんだ。それが親とか身近な人だとその影響力はどうしても強くなるからね。でもこれで解決だね。」
……
「ふう、少しスッキリした気がします。」
「それは良かったね。」
「お金持ちになっていい。なんの資格も能力もなしに無条件で。僕からもありがとう、いくらか解放されたような気持ちです。」
…